Alfa Romeo Giulietta Sprint

お仕事や制作過程

情報誌連載用イラスト 2020年12月作成

 毎月一回の連載でイラストとコラムを続けて14年経ちました。計算してみると12か月×14年で168枚の作品を描いた事になりますが、連載初期の作品はもう見たくないのが正直な所(笑)。

 今回の作品は、ペインターの水彩ブラシを使って仕上げました。と言ってもペインターは自由度が高すぎてよく使う機能以外は把握できていなくて大半は眠ったまま・・・。思ったような効果を出すには設定を自分なりに作らないと使えないように思います。なので大抵は水彩ブラシの中でもリアルウエット細筆とフラクタクル水彩をメインに使って細かい部分に水彩色鉛筆で描き込んでいます。

 ジュリエッタスプリントは古い車を描く方なら一度は挑戦しているので、僕もいつか描きたいと思っていた車です。アルファロメオの量産車の初期にあたるモデルで、後にSSやSZというパワフルでスタイルも洗練されたものが出ました。とはいえ『庶民も頑張れば手に入れられる』というのがコンセプトだったらしいジュリエッタスプリントは、現代の日本で言えば86とかになるんでしょうかね?いやいや当時はまだ世の中にマイカーを持つなんていう常識は定着してなかったですよね。

 昔に比べて車は高価になったと思いがちですが、昭和の時代を幼少の頃から生きた身としては車という機械がこんなに信頼性が上がって便利になってカッコ良くなったんだから当然でしょと思います。所詮、道具だから動けばいいとか乗り潰すんだから安いのでいいという価値観も全然否定しませんけれどそれでもやっぱりある程度ちゃんとしたお金を払うから信頼や満足度を求めるし、所有した後も大切にするし管理もするんだと思うんですよ。つまりメーカーが提示した価値に対するお金であると同時に自分の道具として社会へ持ち出す責任と覚悟も表しているとも言えるんじゃないかと、制作作業をしながら思ったりしました。

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