『SUBARU BRZ』

お仕事や制作過程

 情報誌『RARE』連載用イラスト 2022年3月制作 

 前回の、AUDI RS5と同じオーナーさん所有のBRZも、描かせて頂きました。2台とも同じ日に取材を行ったのですが、思ったより恵まれた天候に、白い車の撮影の難しさを知る事になりました。ホワイトバランスを適正に調整しないと、ボディーは白く飛び、影部分は黒く潰れてしまうんですよね。高性能な機材でなくとも十分資料としての写真は撮れると思っていたのですが、初めて買ったデジイチの撮影に反省を残す結果となってしまいました。グリルやタイヤなど影になる部分には、レフ版で光を当てる事が必要ですし、部分的に接写する場合には太陽光を遮らないと、空の反射で細部が見えなくなる事が分かりました。また、オーナーさんにお話を聞きながらの撮影では、枚数を撮る事が難しいのですが、そもそも撮影枚数が少なすぎました。帰宅してPCに取り込んだ時に、使える画像の少なさにびっくりです!そして、そのツケはイラストに起こす時の苦労に直接掛かってきます・・・いけない、すっかり取材の反省文になっていますが、皆さんがプライベートで愛車の写真を撮る時に、撮影条件にも気を配ると、良い写真が撮れるかも知れないので書いてみました(笑)。

 さて、車についても書いて行きましょう。スバルのBRZ、カッコいいですね。前から後ろへ流れるようなラインは、無責任に途切れることなくキレイに繋がっていて、いかにもスポーツカーらしいスタイルに仕上げられながらも、横から見た時に分かるコンパクトさや、空力を積極的に利用する為の各部の造形も興味深くて、感心しながら描く事が出来ました(お陰で、制作が大幅に伸びましたが)。取材車にはSTI製のエアロが付いていますが、派手にならないように適度に抑えられているのも、大人っぽくて良いポイントですね。

 イラスト的なポイントとしては、白いボディーを立体的に表現しようとすると、どんどんグレーっぽくなってしまうので、ブルーやパープルで空や地面の反射を描いています。また、水彩ブラシの特徴を生かしたくて、各種ブラシで好みの効果が出るまで塗り重ねをしています。お陰で滲みや沁みのようなテクスチャーが出せたかなと思います。でも、もっとコントラストをしっかり出した、抜けの良い表現も似合う車ですよね。また、機会があったら試してみたいです。背景のラインは当初は『赤』『オレンジ』も候補にあったのですが、塗ってみてもピンとこなかったのでSTIのブルーに寄せました。ただ、ベタだと面白くなかったので、向かって左から濃→鮮のグラデーションにして、リヤ側の落ち着きとフロントの軽快さが表現出来ていればいいなと思っています。以上、簡単ですが作品解説でした。

ではでは、また。

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