『NISSAN FAIRLADY Z432』

お仕事や制作過程

情報誌『リバ』連載用イラスト 2021年5月作成 COREL Painter12使用

 いつもの連載用の作品の公開です。15年目に入った本連載ですが、時々必要に迫られて過去の作品を見返す事があります。今でも自分の腕に満足は出来ませんが、もっと未熟だった頃の作品を見なくてはいけないのは、まさに悶絶ものです。逆に、そこそこ描けた作品は『よくやった』という実感に乏しく、『どうやって描いたっけ』と他人事に感じてしまう理不尽さは、一体どうしたものでしょうか?

 さて、これまでインパクトを狙って変わった車を描こうという姑息な手段を取っていたせいで、意外にメジャーな車を避けてきた傾向があった事に今更気付いたので、ここでちゃんと自分に素直に好きな車を描いておきたいと考えました。ついでに描き方も自分なりに試しつつ、しばらく挑戦していきます。今回は、特にスタイリングの面で好きな『Z432』を、色鉛筆ブラシで描いてみました。ただし、結論から言うと特性を生かした表現にならず、言わなければ分からない仕上がりになってしまったのは、描き進む過程で自制が利かなかったからです…。

 それはともかく。

 フェアレディZという車を考えると、タイミングって重要だなぁと思います。この車が誕生した時代は、国内では後に名車とされる2000GTやスカイライン、S800などが次々に発売され、いよいよ国産車も高性能スポーツ路線に向かう気満々‼海外では、スポーツカーの世代交代がそろそろ起こって欲しい頃だったんじゃないかと思います。また、誕生した後の事に目を移すと、直ぐに排ガス規制・オイルショックという超えなくてはならない大きな時代の壁があります。まさに針の穴を通すような戦略的なタイミングじゃなかったんではないでしょうか。

 しかし、当時から性能的な評価が高かった(ボディーパネルが貧弱とは言われたらしいですが)割に、スタイリングでは斬新な手法を取らずに、良く言えば伝統的にまとめたように感じます。これは勿論大成功だった訳ですけれど、北米を中心に大量に世に送り出されたZが、モータースポーツや愛好家によって数限りない『仕様』に仕立てられて、その多くが見る人の溜め息を誘う原因は、そのデザイン的な素性にあるんじゃないかなと思う訳です。逆に、何をしてもどうにもならない例もあったりしますもんね。まぁ、それはそれで個人的に好きではありますが。そんなZも、時代の中でこれまで良い事ばかりではなかったかも知れませんが、昨年の新型のプロトタイプでの世間の騒ぎようを見ると、まだまだ人気は衰えずといった所ですね。(他人事のように言ってますが、新型の画像が出た途端によろこんでスケッチしました)

ではでは、また。

 

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